放銃率で考える危険度の序列 — 現物・スジ・壁・無スジの優先順位

| 約9分 | 更新: | ツモロン編集部

はじめに

リーチを受けたとき、「この牌は安全か、危険か」を二択で考えていませんか。

実際の守備は、**安全/危険の二択ではなく「放銃率の序列」**で考えると一気に整理できます。完全安全な現物(0%)から、ほぼ通る壁やスジ(数%)、そして当たりやすい無スジ(10%超)まで、牌には連続した危険度があります。

オリるときの鉄則はシンプルで、**「一番放銃率の低い牌から順に切る」**だけです。この記事では、各カテゴリの放銃率の目安を一枚の表にまとめ、実戦の局面でどう序列をつけるかを解説します。

危険度の序列(放銃率の目安)

リーチ1人に対して、その牌を切ったときの放銃率のおおよその目安です。数値は牌譜統計から得られた近似値であり、巡目や場況で上下しますが、序列の感覚を掴む出発点として使えます。

危険度カテゴリ放銃率の目安
安全現物0%
ほぼ安全字牌(3枚見え・4枚目)〜1%
かなり安全ノーチャンス(壁)3〜5%
かなり安全スジ・両スジ(4・5・6)4〜5%
安全寄り字牌(2枚見え)約3%
やや安全ワンチャンス4〜7%
注意片スジ(4・5・6の片側のみ)8〜9%
危険無スジ 2・8約8%
危険無スジ 3・7約11%
最も危険無スジ 4・5・612〜13%
最も危険無スジのドラさらに上

ポイントは、真ん中の牌(4・5・6)ほど危険で、端の牌(1・9)ほど安全という大きな傾向です。無スジの真ん中は無スジの端の2倍以上振り込みやすいことが分かります。

なぜ「序列」が大事なのか

オリると決めたなら、手牌の中で最も放銃率の低い牌から順番に切っていくのが正解です。

たとえば現物が手の中に1枚でもあるのに、無スジの五筒(約13%)を切るのは、わざわざ13%の放銃リスクを背負うことになります。現物(0%)を切れば、その巡は確実に放銃しません。

「どうせいつか危険牌を切るんだから」と思うかもしれませんが、巡目が進めば相手がツモあがりする・他家が振り込む・自分にも安全牌が増える、といった形で局が終わる可能性があります。安全牌から切って時間を稼ぐことに意味があるのです。

カテゴリ別の早見

それぞれの詳しい仕組みは個別記事にまとめています。

  • 現物:相手の河にある牌。フリテンのルールで100%ロンされません。→ 現物(ゲンブツ)
  • スジ:相手の捨て牌を利用して両面待ちを否定する牌。四萬が切られていれば一萬七萬が比較的安全。→ スジ(筋)
  • 壁(ノーチャンス):両面待ちの構成牌が場全体で4枚見えていて、その待ち自体が存在し得ない牌。→ ノーチャンス
  • 壁(ワンチャンス):構成牌が場全体で3枚見えていて、待ちが薄い牌。→ ワンチャンス
  • 字牌:見えている枚数が多いほど安全。3枚見えなら単騎しか残らず、ほぼ通ります。
  • 無スジ:上のどれにも当てはまらない数牌。両面待ちにそのまま刺さる可能性があり、最も危険です。

ここで情報源の違いに注意してください。現物とスジはリーチ者の河だけを見て判断しますが、壁(ノーチャンス・ワンチャンス)はリーチ者の河だけでは判断できません。全員の河・ドラ表示牌・自分の手牌・鳴き牌を合わせた「場全体の見え枚数」を数える必要があります。実戦では自分以外の伏せ牌と山以外はすべて見えているので、落ち着いて数えれば判断できます。

スジと壁は重ねて使える点も重要です。「スジ かつ ノーチャンス」なら、両面待ちを二重に否定できるため、より安心して切れます。

実戦例:リーチに直面した手牌の序列づけ

ある対局の東2局、対面のリーチを受けた局面です。下の雀卓は全員の河・ドラ表示牌・自分の手牌をそのまま再現したもので、その全情報から各牌の危険度を計算しています(手牌の下線とバーが危険度の色分け)。

東2局2本場・対面リーチ(ドラ表示牌 9p)
対面 リーチ
東9s7p7s發白6s3p白6m6s3m2p
上家
發西中8s北7s8m5m3m東7m南8s
下家
5s2s9p西發9s7m白4p5m赤5m3p4p
自分
發東2s7m6m7s6s1m8m8m9s9m南
東2局2本場
ドラ表示 ドラ表示 9p
あなたの手牌(切る牌の危険度)
3m 3m 1p 3p 5p 6p 7p 8p 8p 9p 1s 1s 赤5p 赤5s
危険度(高い順)
  • 赤5s 無スジ 13%
  • 5p 片スジ 9%
  • 6p 片スジ 8.5%
  • 8p 無スジ 8%
  • 9p 無スジ 5%
  • 1s 無スジ 5%
  • 1p ワンチャンス 4.5%
  • 3m 現物 0%
  • 3p 現物 0%
  • 7p 現物 0%

現物・安全 壁・端 スジ・片スジ 無スジ 放銃率は牌譜統計に基づく目安です。

注目してほしいのは、手の中に**現物が3種類(三萬三筒七筒)**ある点です。オリると決めたなら、まずこの現物から切れば放銃率はゼロです。

逆に最も危険なのは赤五索(赤5sの無スジ、約13%)。赤ドラで切りたくない牌ですが、押すならここが一番刺さりやすいと分かります。

一筒がワンチャンス(約4.5%)なのは、その両面構成牌二筒三筒のうち三筒場に3枚見えているためです(自分の手牌に1枚、リーチ者の河に1枚、他家の河に1枚)。ここが大事なポイントで、リーチ者の河だけを見れば三筒は1枚しかなく、この判断はできません。壁の判定は、スジや現物と違って、場全体の見え枚数を数えて初めて成立します。

ちなみにこの局では、九筒を押して放銃しました。九筒は無スジの端牌で放銃率は約5%。無スジの中張(12〜13%)より低いため、つい押したくなる牌です。しかし両面(七筒八筒からの六筒九筒待ち)が生きており、実際この相手は六筒九筒の両面待ち(平和・立直)でした。現物が3枚もある以上、オリると決めたならこの牌を押す必要はなかった局面です。

このように、相手の手牌が見えれば待ちは一意に確定します。実戦では見えないからこそ「読み」は確率にとどまりますが、牌譜なら全員の手牌から答え合わせができます。この答え合わせを大量の牌譜で積み重ねれば、放銃率の数値を実測で精度よく較正できます。

押すか、オリるか

危険度の序列はあくまで「オリる」と決めたあとの切る順番の話です。実際には「押すか・オリるか」を先に決める必要があります。

おおまかな指針は次の通りです。

  • 自分がテンパイ or 好形の1シャンテンで打点もある → 押し寄り。無スジでも勝負することがあります。
  • 手が遠い(2シャンテン以上)・打点が安い・現物が複数ある → オリ寄り。安全牌から切って局をしのぎます。
  • 点数状況で振り込みたくない(オーラスでまくられたくない等) → オリ寄り。

そして「オリる」と決めたら、この記事の序列に従って放銃率の低い牌から消化していきます。

数値はあくまで「目安」

掲載した放銃率は牌譜統計に基づく近似値で、実際には次の要素で変動します。

  • 巡目:序盤のリーチほど待ちの形が読みづらく、終盤ほど他家の河が情報を増やします。
  • 相手の河や副露:染め手・タンヤオ確定など、河から待ちの傾向が読めることがあります。
  • 複数のリーチ:2軒リーチなら、両者の現物を優先する必要があります。

数値を丸暗記するのではなく、**「真ん中ほど危険、端ほど安全」「現物>スジ・壁>無スジ」**という序列の感覚を身につけることが実戦では役立ちます。

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まとめ

守備は「安全か危険か」の二択ではなく、放銃率の序列で考えると整理できます。

  • 牌の危険度は連続的:現物(0%)→ スジ・壁(数%)→ 無スジ(10%超)。
  • 真ん中の牌(4・5・6)ほど危険、端の牌(1・9)ほど安全。
  • オリると決めたら、放銃率の低い牌から順に切る。現物があるのに無スジを押さない。
  • 数値は目安。巡目・河・点数状況で調整する。

この序列が頭に入っていれば、リーチを受けても慌てず、手牌の中から一番安全な牌を順番に選べるようになります。

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